7枚のカード

 2017-02-17
冬晴れの青空が美しい朝、
私はちょっと気の重い仕事のために、
その場所に向かっていた。

気持ちを無視して、
スクランブル交差点を渡る
大勢の人々と同じ速さで足を進める。

ふと見上げると、
四つ角のビルに

サンパウロ キリスト教用品

という看板が見えた。
何回か通ったはずの道なのに、
その存在に初めて気が付いた。

あのカードがあるかもしれない。

中学高校はカトリックの
ミッションスクールに通った。
退屈すぎるくらい平和な
学校生活の小さな楽しみの一つは、
クリスマスの時期に
学校の講堂のロビーで行われる
クリスマスセール。
洋書の絵本や、
シスター方の手作りクッキー、
クリスマス用品、
キリスト教関係のものなどが売られていた。
学期末の安堵感、クッキーの甘い香り。
友達と御揃いの小さな青い
マリア像の御メダイや、
聖句やお祈りに
花の絵が添えられたカードを買った。

ゆりの花の絵の下に書かれた詩編51

ヒソプでわたしの罪を払ってください
わたしが清くなるように。
わたしを洗ってください
雪より白くなるように。


何故か一番心を惹かれたカード。
もう一度、欲しいと思った。

この「サンパウロ」に同じものが
売っているだろうか。
帰りに寄ってみよう。


何とか任務を果たして、
昼過ぎにビルを出ると、
また明るい冬晴れの光。
心のエネルギーを
再びチャージしなければ。

今朝と同じ交差点を
今度は逆方向へと向かう。

あ、そうだ。サンパウロ。

一階は書籍売り場。
二階には中高の教室の前に飾ってあったのと
おなじようなマリア像があった。
階段を上って雑貨売り場の三階へ。
店内を一周して、レジ近くの棚に、
目的のカードを見つけた。
同じ絵と言葉のものはなかったけれど、
大きさ、紙の手触り、花の絵の雰囲気、
きっと同じシリーズだ。

一枚25円という申し訳ないような値段。
花の絵と言葉を見て、気に入ったものを
すべて買うことができた。

久しぶりに見る聖句や祈り。
あれから随分長いこと生きて来て、
それでも全然できていないことばかり。
聖句や祈りに書かれていることを
実践するのは難しいということを
経験から身に染みて
感じただけなのかもしれない。

今の私の心に特に響いた一枚。

神よ、
わたしに変えることのできないものは、
それをすなおに受け入れるような
心の平和を、
変えることのできるものは、
それを変える勇気を、
そして変えられるものと
変えられないものとを、
見分ける知恵を、
このわたしにお与えください。

-- 「心の平和の祈り」より

出来ない自分を責めるのはよそう。
人はできないからこそ祈るのだから。


カード7枚の「大人買い」と、
ちょっと贅沢した
遅い昼食用のお弁当を買って気分を直し、
私はいつもの明るい私の役に戻って、
また一日を終えることができた。
何の宗教でもなく漠然とした神様に
時々する寝る前のお祈りで、
7枚のカードの恵みを感謝して。

    




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